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2010年10月17日日曜日

いわゆる「慰安婦問題」についての雑感

民主党が政権を取ったとき、こう思いました。
「あぁ、良くも悪くも『慰安婦問題』はこれでクリアになるな……」と。
民主党、公明党、社民党、共産党が「慰安婦問題の賠償を」と強固に主張し続けているのを冷ややかに見ていたのですが、これが現実のものとなってしまうであろうことに諦めにも似た悲喜両面の感覚が生まれたのでした。
ところでよくよく調べているうちに思ったのですが、外務省が非公開としてきた資料の中に「日本軍が強制的に慰安婦を徴用した」ことの関与を示す資料が政権交代後も一向に出てこないことは、強制連行肯定派にとっては誤算だったのではないでしょうか。
第二次世界大戦直後には現れず、終結して二十余年を数えて突如として登場した「強制的に徴用された慰安婦」は、やがて1993年の「河野談話」によって現実のものとなりました。しかしのちの国会(予算委員会?)などで強制性を裏付ける客観的な証拠がないことが指摘されたことから、当時の与党(自民党)内でも激しい追及があったそうです。

菅談話、そして国家公安委員長に就任した岡崎トミ子の名前に韓国への警戒心を励起されまして、ウィキペディアの「慰安婦」のページを読みはじめました。しかし読み進めるうち、その量と政府の迷走ぶりになんだか頭痛が……
さて、良くも悪くも慰安婦問題がクリアになると先述しましたが、これに深い意味はありません。おそらく民主党政権が個人賠償を行うことで決着するであろうとの見通しから「解決するがまたカネが韓国に行く」との端的な見地で物を言いました。
日本は個人賠償にあてられることを期待して韓国政府に資金援助の名目でお金を提供しているのに……と思ったわけです(日韓基本条約とそれにともなう協定で、韓国側の金の請求権や日帝の残したインフラの返還などは放棄された)。しかしながらいつまでたっても「未来志向の関係」(菅氏)にたどりつけない日韓の問題がひとつ解決されるわけですから、まずは良しとしようと考え付いたところです。
まぁほかにいくつも問題を抱えているから、それひとつくらいで日韓関係が急激に改善されていくなんてありえないんですけどね。

日韓歴史共同研究のポイント.jpg(MSN産経ニュースより)

今後どうなるのか、まったく予想がつかないというのが正直なところです。なにしろ民主党はもう聞きたくなくなるくらい「クリーン」「オープン」とこっちがウンザリするほどあれだけ連呼していたのに、実体としては自民党と変わらないどころか、もっとも責任も権力もある菅氏が小沢氏を批判すらできないでいるという、クリーンでもオープンでもないうえに自浄能力もないようなよく分からない党ですから。
ところでウィキペディアの「慰安婦」の項を見ていると強制連行肯定派は妙な面子が揃っているので、妙だと感じた原因の文章と一緒にざっと拾い出して見たいと思います(リンクはウィキ)。

1977年、『朝鮮人慰安婦と日本人』を新人物往来社から出版。その中で、第二次世界大戦中に日本軍人が朝鮮の女性を強制連行し慰安婦にしたなどと証言。1982年には第一次樺太朝鮮人裁判で朝鮮人の奴隷狩りを証言。1983年、いわゆる従軍慰安婦問題の発端となった『私の戦争犯罪』を上梓した。
(中略)1989年8月14日、韓国済州島の地元紙『済州新聞』が取材結果をもとに「『私の戦争犯罪』は捏造」と報じた。1992年3月には秦郁彦が、吉田の「慰安婦狩りを行った」という証言について済州島で現地調査を行ったが明確な裏付けは取れなかった。当時を知る島民は「この島で人間狩りが起こったら大騒ぎになって誰でも知っているはずだが、そんな話は聞いたことすらない」との証言をした。同書は韓国語訳され現地の『済州新聞』で住民の証言をもとに論評がなされているが、「あり得ないこと」「(このような作り話の本は)道徳性の欠如した本で、軽薄な金儲け主義的」と一蹴されている。秦は、同記事の執筆者である許栄善と面談の折、許から「何が目的でこんな作り話を書くんでしょうか」と聞かれ答えに窮したという(秦は『正論』に調査結果を公表、『昭和史の謎を追う』(文藝春秋1993年3月)に掲載し、菊池寛賞を受賞した)。

彼の言葉を朝日新聞が大々的に報じた、いわば発端のような人です。元軍人であったことからその発言が重用されたが、彼のほかに同じように「告発」した軍人は現れていないようです。
1993年にインドネシアを訪問し、地元紙に「補償のために日本からやってきた。元慰安婦は名乗り出て欲しい」という 内容の広告を出した。 しかし、インドネシアのスエノ社会大臣は事件を焚きつけた日本人達(共産党・朝日新聞・日弁連ら)に対して「インドネシア政府は、この問題で補償を要求したことはない」「しかし日本政府(村山富市首相)が元慰安婦にお詫びをしてお金を払いたいというので戴くが、元慰安婦個人には渡さず、女性の福祉や保健事業のために使う」「日本との補償問題は1958年の協定により、完結している」との声明を発表している。
また、インドネシア英字紙「インドネシア・タイムス」会長のジャマル・アリは「ばかばかしい。針小棒大である。一人の兵隊に一人の慰安婦(インドネシアに居た日本兵は約2万人だった)がいたというのか。どうしてインドネシアのよいところを映さない。こんな番組、両国の友好に何の役にも立たない。我々には、日本罵倒体質の韓国や中国と違って歴史とプライドがある。『お金をくれ』などとは、360年間、わが国を支配したオランダに だって要求しない(インドネシア・タイムス)」との見解を発表し、高木らを批判した。

人権派の弁護士って、経歴といい発言といい、妙としか表現しようのない人がホントに多いのはなんなんでしょうねぇ。
この人の説明は必要ないかな。一応、日本の国家公安委員長。この名前で画像・動画検索すればあっけに撮られること間違いなしです。

日帝の強制連行を主張する人たちをネガティブ・キャンペーンしたくなる気持ち、分かります?
民主党が党として韓国をおもねるかのごとく好意的に見ているのは知っていました。民主党が政権を取ったとき、いろいろなものが「終わったな……」と焦燥と諦観を込めて苦虫を噛み潰したものですが、だからこそ解決する問題もあるのだということも分かっています。しかしそれが無知からくる希望的で一方的な韓国への期待感は悲劇としか言いようがありません。
歴史を正面から受け止めるには、まず歴史を正しく知ること、それも客観的な視点でさまざまな情報に触れて、真偽を確かめながら一歩一歩踏み固めていく忍耐強さが必要とされます。
しかし強制連行の肯定派は仲間内だけでしか情報交換をしないかのようにみんな異口同音に同じことを言うばかりで、とても「自分から学んだ」かのようには見受けられません。
政治家であるなら――いやさ成人であるなら、予断なき是々非々の姿勢で仕事に臨むことは最低限のスキルではないでしょうか。

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