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2010年10月4日月曜日

米軍基地移設

在日米軍基地問題の②です
特に沖縄に駐留する米軍の基地について

しばらく間が空いて「やる気あんのか?」と思われたのではないでしょうか

実際、あまりやる気がなくなってきてます
と言うのも、最近テレビでだいぶ池上彰氏が「活躍」してこの問題についても色々と説明しており、説明が尽くされているのではないかと感じたからです

私が見たこれまでの報道とは切り口を変えてみましょうかねぇ

普天間基地の問題点
・人口が密集しており、有事の際や訓練における事故での被害が想定されていること
・米兵の凶悪犯罪
・そもそもの領有権

それらを踏まえて沖縄の米軍基地を例に、少しそのなりたちから迫ってみましょうか

wikipedia「普天間飛行場」の地理の項目から引用
基地の周りに住宅地が密集している状況については、二つの側面に留意する必要がある。ひとつは、普天間基地の建設は、アメリカ軍の占領下のもと、地域の住民を強制的に追い出してなされたという事実である。もうひとつは、しかし建設当時は現在ほどには密集地域ではなく、したがって現在のような住宅密集地域となったのは、米軍基地建設後であるという事実である。

以前にデヴィ婦人がブログか何かで「もともと普天間基地のまわりは現在ほど住宅が密集していなかったと聞いた、なら基地ではなく住民が引っ越せば良いのではないか」と発言していて、一部ネット上では話題になりました

順を追っていくと、米軍と住民のどちらに権利があるのか断言しづらくなりますね
米軍は土地を接収して、日本国と住民とどちらかに返したのでしょうか

それもやはりwikiのページに記載がありまして、「現在でも、普天間飛行場が占める土地のうち、およそ92%は私有地である。このため、年間64億円を超える賃借料が合計2,881人の地主に支払われている。」(歴史-その他の項目)とのこと
480ヘクタール64億円って...(;^^)
これもやっぱり税金から出てるんでしょうか

極論すれば地域住民のほうが「移転」することもひとつの、そして最終的な解決策です

しかしある種、イデオロギー的性質(政治的な凝り固まった主張とでも訳してください)を持っているこの米軍基地問題に、住民側は負ける(引き下がる)ことは許されないと言うのもひとつの事実と見るべきではないでしょうか

問題点の一つ目、人口密集から起因する被害については、やはりいずれかがその場を離れることしかないでしょうね

居住権うんぬんを言い出すと、問題の本質と言うよりも感情論の元をたどる結果にしかならないので、やはりフェアに金銭的な事情から最短距離の解決策を論じるべきだと思うんです

問題点の二つ目、米兵の凶悪犯罪について

強盗、強姦事件ですね
窃盗とか軽犯罪はあまり聞かないけど、ニュースにならないだけなのかな?

これはニュースになって大問題化したもの以外にも、とてもたくさんあるとされています
米兵に限らず、日本に来て犯罪を犯す外国人には正直、嫌悪感を抱きますね

しかし米兵に限って言えば、大きな問題になる理由として「日米地位協定」があります

基地内の米兵の身柄については、起訴までいかないと引き渡してもらえない取り決めがあり、だから犯罪を犯した米兵は基地内に逃げ込むんです

犯罪が露見しても基地に逃げ込まれたら日本の警察が取調べできないんですよね

その辺、民主党は日米地位協定の改定に意欲を示していたのがいつの間にか立ち消えになっていて、続報が待てど暮らせど聞こえてこない

こればっかりは100人に聞いても全員が改定すべきと答えるでしょうから、自民党にできなかったのですから国民の総意としてぜひ積極的に取り組んでほしいですね

問題点の三つ目、そもそもの領有権について

これは当然日本の土地ですから、早いところ返還してほしいところです
まぁ、それができないから困っているんですけどね

在日米軍の抑止力については、あれだけ基地の存在そのものに批判的だった民主党も一転して認めるところですので、どうするのか見ものですね

色々と情報に触れていて共通しているのが「沖縄駐留米兵の東アジアでの抑止力」ですが、ここでミソなのは「日本の」ではないことですね

在日米軍の肯定派の論調は、「東アジアの平和と安定に寄与している」
逆に否定派は「戦争(脅威)は存在しない」「海兵隊では日本を守れない」

これを説明してみます

東アジアの平和と安定とは、古くはアメリカが経験した東西冷戦、その後の朝鮮半島へのロシアの南下です

今もこれが尾を引いているのは間違いないですが、現状では朝鮮半島の不安定化と、中国への牽制と見るべきですね

ちなみにアメリカはタイの軍事政権にはあまり興味がない?(ってこれは内政問題か)

平和と安定、に直接結びつくわけではありませんが、南沙諸島について触れます
南シナ海にある南沙諸島は領有権が確定していないのですが、海洋・海底資源が見込めるためにたくさんの国が領有権を主張しています

wikipedia「南沙諸島」の歴史の項目から抜粋
1992年11月スービック海軍基地とクラーク空軍基地を返還し全ての米軍がフィリピンから撤退。
1995年、中華人民共和国軍の活動が活発化し、ミスチーフ礁等フィリピン主張の島を占領して建造物を構築した。この機会主義的行動が周辺諸国に中国の軍事的膨張に対する警戒心を呼び起こしたとされる。


領有権問題はそくざに武力衝突に発展しかねない問題です(日本では考えられないけど)
天然ガス田で対立する日中において、看過できない重要な示唆です

少し前に中国海軍が大所帯で沖縄本島と宮古島の間、目と鼻の先を堂々と通過していったニュースがありました(47NEWS)が、これら大規模な示威行動へまるで警戒がない日本は中国にまるで影響力がないのではないでしょうか

またこの事案では、慌てて見回りに行った日本の護衛艦に中国艦搭載のヘリコプターが異常接近したのですが、その際に機銃(って言うの?)の照準を護衛艦に向けたなんて身の毛もよだつ物騒な話もあります

これ、立場が逆だったら中国は喜んで開戦したでしょうね
さて、ここで否定派の「戦争(脅威)は存在しない」「海兵隊では日本を守れない」についてですよ

前者は反駁の必要がないくらいの妄言です(断言)
似たようなものに「基地があるから狙われる」とか目まいのするような理屈がありますが、「近所で有名な地主の誰々さんちには防犯システムがないらしい」って話が本当にあったら泥棒がわんさか現れますよ!

で、海兵隊が日本を守れないかどうかなんですが、これは微妙なところですね
核ミサイルを持っている北朝鮮が日本に攻め込んでこないのは間違いなく日本がアメリカと同盟を結んでいるからですが、中国への牽制になっているかは微妙なところです


ここまで説明を試みてきましたが、普天間基地の移設が事実上頓挫したことについては、前首相の鳩山氏の軽率さが第一義的にあると思いますが、それよりも社民党との連立を検討した時点で防衛に対しての無知を露呈していたと思います

誰が連立を画策したかは一概には言えませんが、執行部にいた鳩山氏も責任がないとは言えません
それは現首相の菅氏も同じことです

野党時代から共闘してきたのだから無理からぬこととは言え、駐留なき安保を標榜しておきながらなんの案もなく、理念なき移設を掲げて沖縄の人たちを騙したことは度し難い不作為です

まぁこんな巧言令色に騙された沖縄の人たちもたいがいだと思いましたけどね!


2010.7.25


2010.8.10

中国への政治的・経済的、そして軍事的懸念は最も重視すべきところと考えます
それを考える上で以下の記事は非常に重要に感じましたので、ぜひお目通しください

大失態演じた中国外交、米中対立どこまでJB PRESS 2010.8.6http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4147

なんだか中国バッシングばかりだと思われるかもしれませんが、日本にとって身近な脅威として北朝鮮が上げられているけれど、むしろどこからも報道されない中国であることは申し添えておきます

きっと日本は近い将来、合法的に呑み込まれていくでしょうね
この「発展途上国」だったり「一等国」だったりと都合によって立場を変える国に

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