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2010年10月4日月曜日

01「はやぶさ」

 2010.6.13 22時51分
小惑星探査機「はやぶさ」が7年間の任務を終えて地球へ帰還しました

普段は宇宙に目を向けることが少ない私も、苦節と忍耐の旅路を健気にやりとげて帰ってくる「はやぶさ」に心打たれました

少ない予算で最大限の努力を注ぎ込み、トラブルを想定した二重三重の工夫を凝らす
大艦巨砲主義の米欧ではなしえなかった成果、とは言いすぎでしょうか

カプセルを地球に残し、大気圏突入で燃え尽きてしまう「はやぶさ」に、古き時代の日本人が大事にした「もののあはれ」を見たような気がします

それを感じなかった人も、イオンエンジンや宇宙黎明期を映すとされる小惑星のサンプル(かけら)などなど、わくわくするような話題を満載した「はやぶさ」に心躍らせたことと思います

海外からの評価ひとつとっても、このセンセーショナルな宇宙科学の新たな一歩がどれほど偉大なものだったか、門外漢の私にも感じられました

しかしどうにも違和感があったことが一点
日本という国家が、この大きなイベントにまるで興味を示していないことです

どの国を見たって、国家として取り組んだオペレーションが成功を収めたら、それはそれはナショナリズムを煽る一大キャンペーンを展開するものです

国粋主義は嫌いです(かと言って自虐史観はもっと嫌い)

ですが、カプセル放出のためには地球にカメラを向けられないはやぶさに、「最後に地球の姿を撮らせてやりたい」と言った研究者たちの想いがどれほど尊いものか、それを思うと国の態度はとても冷たいものに感じました

少し話は逸れますが、はやぶさの大気圏突入を生放送しなかったNHKに、ツイッター上で猛抗議があったそうです

23時前にNHKを観ていて「なんだ、放送しないのか」と感じたのはどうやらたくさんいたもよう
少し前から某匿名掲示板で『こんなこともあろうかと』の決まり文句とともに「はやぶさ」の波乱万丈ぶりを刷り込まれていただけに、その最期の姿が見られないとなるととても残念で落胆したのをまざまざと思い返します

変なたとえですが、有名な名物俳優が亡くなったときに思う「なんだ、逝ってしまったのか」と言う感覚が胸をよぎりました

もっと気にかけてやればよかったな、とか
もっと見ててやりたかったな、とか

そんな惜別の念が、しばらく忘れられそうにありません





しんみりと「はやぶさ」に思いを馳せている人がいたら、この下はあとででも読んでいただきたいと思います

宇宙航空研究開発機構は後継機「はやぶさ2」の計画を進めている。文部科学省は昨夏、 今年度予算の概算要求に17億円を盛り込んだが、政権交代を受けた予算削減で3000万円に縮小。 製造に着手できなかった。 

はやぶさ2は、目標とする小惑星と地球の位置関係などから、2014~15年に打ち上げないと、 
次の機会は10年以上も先になる。来年度には製造に着手しないと間に合わない。 
川端文部科学相は11日、「(はやぶさの実績が)次につながるようにしたい」と述べた。 

ただ、財政状況は厳しい。宇宙開発の今年度予算は3390億円で前年度比2・6%減。 
今後も大幅増は見込めない。はやぶさの快挙をどう生かすのか、注目される。 2010.6.14読売新聞より
http://osaka.yomiuri.co.jp/science/news/20100614-OYO8T00291.htm


「宇宙開発ができなくたって、庶民の生活に何の影響があるんだ」って、したり顔でネットに書き込んでるのがあって愕然としました

科学の世界に限ったことではないのですが、これは未来への投資なんですよね
未来への投資、なんて簡単な言葉でいうと想像力のなさを露呈してるみたいですけど

で、誰にでも分かりやすく伝えようとすると、私ではどうしても下世話な話になってしまうんですけど、宇宙開発の技術って、実はすごく「お金になる」んです
お隣韓国はロシアから技術提供を受けた「羅老(ナロ)号」が打ち上げに失敗したのは記憶に新しいですが、その1段目ロケットは「約2億ドル(約183億円)(2010.6.12中国新聞)」もの金額だったと言うのだから目を疑います

「はやぶさ」がどれほどの偉業を達成したか、全貌を知るには知識が足りなすぎる
wikipediaをナナメ読みするだけでも背筋に戦慄のようなものが走ります

日本の一流企業も携わるこのミッションに経済効果がないなんて、見識が狭いにもほどがある!

民主党は野党時代になぜ国家観や長期的な経済政策を整理しておかなかったんだ
政権交代の意義を、民主党自身が粉々に打ち砕いている自覚はあるのか

そんなことを思わずにはいられないのは、けして私が子ども手当てを受け取れないからではないですよ?


2010.6.14

2010.8.27
記事の紹介だけ

ノーベル賞野依氏 「歴史の法廷に立つ覚悟あるのか」 事業仕分けのスパコン予算カットに
ノーベル化学賞受賞者で、理化学研究所の野依(のより)良治理事長が25日、自民党本部で開かれた同党文部科学部会に出席し、政府の行政刷新会議の「事業仕分け」作業で、次世代スーパーコンピューターの開発予算が事実上凍結されたことについて、「不用意に事業の廃止、凍結を主張する方には将来、歴史の法廷に立つ覚悟ができているのか問いたい」と痛烈に批判した。

次世代スーパーコンピューターは、理化学研究所が主体で研究開発している。野依氏は「科学技術振興や教育はコストではなく投資だ。コストと投資を一緒くたに仕分けするのはあまりに見識を欠く。次世代スパコンはいったん凍結すると、瞬く間に各国に追い抜かれ、その影響は計り知れない」と強調した。

また、「仕分け人」が「トップを取る意味はどれくらいあるか」などと質問したことに野依氏は「中国やアメリカから買えばいいというのは不見識だ。科学技術の頭脳にあたる部分を外国から買えば、その国への隷属を意味する」と述べ、「仕分け人」らの発想に疑念を示した。

2009.11.25 MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091125/stt0911251106000-n1.htm



1番目指すのは当然…蓮舫刷新相が軌道修正?

蓮舫行政刷新相は17日、読売新聞などのインタビューに応じ、「科学技術の分野でもほかの分野でも(日本が世界で)1番を目指すのは当然だと思っている」と述べた。

蓮舫氏は昨年11月の事業仕分けで「仕分け人」を務めた際、次世代スーパーコンピューター開発について、「(世界)2位じゃだめなんですか」と発言し、科学技術軽視だと批判を浴びたが、軌道修正した形だ。
2010.6.17 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100617-OYT1T00942.htm


...冗談で言ってるのかな? それとも本気で不見識なのか
いずれにせよ反感買うだけだと思うけど

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