のっけから記事転載
議員歳費の削減議論は「引き下げデモクラシーだ」仙谷氏が苦言
仙谷由人官房長官は21日午前の記者会見で、民主党が参院選マニフェスト(政権公約)で掲げた国会議員経費の削減に関し、「みんなが低い方に合わせるように足を引っ張り合うことが果たしていいのか。『引き下げデモクラシー』みたいなことには気をつけて議論してほしい」と述べ、議員歳費や国家公務員給与をめぐる議論のあり方に注文をつけた。
さらに、仙谷氏は衆参両院の新議員会館について「豪華すぎる」とする報道があることにも触れ、「トイレが200何カ所あって多すぎるとの意見があるが、大勢が集まるときに一番考えなきゃいけない話だ」と苦言を呈し、議員会館は国民とコミュニケーションを図る場だとして「建設的な議論」を訴えた。
2010.7.21 MSN産経ニュース
正直、統制の取れていない内閣にいる「ポッと出」の閣僚の枝葉末節まで拾うのはやりすぎかとは自分でも思うのですが、全部にツッコんでいきます
・いきなり牽制するな
自分たちで公式に掲げたマニフェストについて、まだ参院選から10日しか経過していないのになぜ後退を招くような発言をするのでしょう
(民主党は参院選マニフェスト8ページ目にて「政治家、幹部職員などが率先して国家公務員の総人件費2割削減」をうたっている。ちなみに「地方公務員」については触れていないのがミソ)
自民党が「自治労(地方公務員の労働組合)からの支援を受けている民主党に公務員改革は不可能」と豪語しています
私は別に自治労にそんな影響力があるなんて微塵も思っていないですが、それを疑ってしまうほどの弱腰ぶりです
ただ、戦後の経済成長から置いてけぼりをくらった公務員は当時、「田んぼを抱えていなければ食っていけなかった」とか「友人から小遣いをもらって飲みに行った」なんて話を聞きます
かつては貧乏くじを引いていたのに今となっては羨望や嫉妬の槍玉にあげられている――それを思うと擁護するのも非難するのも筋違いかなと感じます
是正されるのをただ粛々と見守るべきなんじゃないかな、と
・「みんなが低い方に合わせるように足を引っ張り合うことが果たしていいのか」とは政権交代前の言動と一致しない
数少ない「国民の支持する公約」をみずから否定しています
見守れと前述しましたが、公務員給与が高いとするなら(もしくは高いと国民が感じているなら)、それを裏付ける証拠を集めて提示し、冷静に是正していくべきですね
『引き下げデモクラシー』の旗振り役は、間違いなく政権交代前の野党の皆さんですよ
「格差」を旗印に政権交代をなしえたのですから、きちんと役割を自覚してください
と言っても日本の公務員がどれくらいGDPを押し上げているか、個人的にはこの一点だけは押さえておく必要があるのではないかと思います
少しベクトルの違う話なんですけど、ある企業が福利厚生として配布していた近隣の食堂の優待券を財政事情から廃止したら、社員よりも食堂から苦情(要望?)がすごかった、なんて...
全国の公務員がみんな一斉に節約を始めたら、人がいないギリギリの「限界集落」みたいな状態の食堂は、やっぱり一斉に消えるのではないでしょうかね
・「議員歳費や国家公務員給与をめぐる議論のあり方に注文をつけた」
みんなの党との連携を模索したのは、この議論がとっかかりになると踏んだからでしょう
「とりあえず下げる方向で」と言って選挙戦を戦い抜き、それが終わったらいきなり弱含みになる
これで党員が上から下まで口をそろえて「ブレてない」と断言するのですから耳を疑います
ところで2段落目については政治課題と言うよりも庶民感覚とか良識の問題だと思うのですが、あえてツッコミ入れます
・「トイレが200何カ所あって多すぎるとの意見があるが、大勢が集まるときに一番考えなきゃいけない話だ」
仕分けしなかったんですか?
いっぺんに使うのは年に何日あるんですか?
200何ヶ所あるうち、大勢が集まって使うのは何ヶ所なんですか?
そうすることでどのていどの「建設的な議論」へ資するのですか?
トイレの掃除にどれくらいの委託料がかかりますか?
あと別の記事には(「議員会館」で検索したら)、こんなことも載っていました
・「ついせんだってまでは『こんな狭いところで仕事ができるのか』との意見が強かった」 (スポーツニッポン http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20100721029.html)
できるのかって、してたんでしょ?
・「豪華すぎ新議員会館「紹介」には消極的」 (日刊スポーツ http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20100721-656173.html)
セブン・イレブンやタリーズコーヒー...必要なのか?
いや来館者用だとしても必要なのか?
また同記事にはこんなことも
「別の男性議員関係者は、新会館を歓迎しつつも「内装は無垢(むく)材に見せかけた木目調サッシで、机だって合板だ。批判されるかもしれないけど、あえて言えば、必ずしも『ぜいたく』ともいえないのではないか」」
税金でまかなっている以上、それだけやってもらって「ぜいたくではないのでは」なんて、その考えがまた批判のそしりを免れないものですね
・衆院の新議員会館も稼働=地上12階、広さ倍以上
(時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010072000771)
時事通信社は目の付けどころが違いますね
部屋割りから民主党内の対立の構図が示唆されていることを記事にしています
すでにこの話題は鎮火したものと思っていたのですが、わざわざ蒸し返していてウケました
とまぁ、政治の舵きり自体よりも、しょーもないことでのツッコミをもらうことの多い民主党には、早くも支持率低下という水位低下が表れはじめています
これから民主党は参院選の総括を始めることになっているみたいですね
自民党が小泉政権時代の総括をしていないせいで前に踏み出せていない部分があると感じている私にとって、こういった「戦後処理」は必要なプロセスと受け止めています
・民主、所属議員に参院選大敗の意見聴取開始
(2010.7.21 日本経済新聞)
ですが、どうも民主党は「消費税10%と口にした」こと、それ自体が悪であると見ている節があるように見受けられます
同じく10%とした自民党が、少なくとも敗北していない現状、国民は消費税10%でもやむなしと受け止めたと見るべきです
では何が国民の不興を買ったのか
それは変節を繰り返してきたことにあるのだと私は見ているのですが、みなさんはいかがでしょうか
衆議院議員が480人、そして参議院議員が242人、合わせて722人
トイレが200何ヶ所あればおそらく全員が個室に入れるのではないでしょうか
ここはひとつ、胸に手をあててみずからの行いを省みることで「建設的な議論」に結び付けるべく、与野党全員が個室に入ってじっくりと考える時間を取るべきではないでしょうか
そんなことをすら切実に願う今日この頃
ところで私は慢性の便秘です
2010.7.21
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