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2011年1月28日金曜日

公務員制度改革案 その3

③天下り 改革案
~天下りの是認。早期勧奨退職の拡充と、民間への斡旋の強化・厳格化。加えて兼業の許可~

天下りは厳密には「省庁の斡旋を受けて民間企業に再就職すること」です。
これがマスコミや民主党の口を借りるとなんだか「???」な見当違いな批判になっていたのは公然の秘密……なのか?

お気づきの方も多いとは思うのですが念のため言い添えますと、天下りは必要なシステムです。

ざっくり説明すると、昇進レースからはずれた人に退職してもらうための最低限の身分保障、と言う位置づけでした。しかし公務員として習得してきたスキルが民間で要求される能力とはまた別次元のものであるために再就職先を自分で探すには限界がある。そのため、省庁斡旋の再就職が約束されていたのです。

それがいつの間にか「天下りそのものが悪い(キリッ」になっていたのは、ホントに開いた口が塞がらない低劣な責め文句でした。


その証拠になるか分かりませんが、自民党政権の頃に同党に在籍していた渡辺喜美氏(現在はみんなの党の代表)がこんなことを言っていました。

変節に反省の弁を
『天下りがいかに大切か、首相になって分かったと反省の弁を語ってほしい』
(渡辺喜美みんなの党代表が、鳩山首相(当時)の公務員制度改革に対する姿勢を、海兵隊は沖縄に必要だとの方針に転じた首相の発言になぞらえて批判)
2010.5.19日本経済新聞2面「寸言」より

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行政改革大臣……つまり公務員制度改革の担当大臣であり、また自身も公務員改革の急先鋒であった氏がこれを言うことに、個人的にはひどく感慨を感じたものです。

では「天下りの何がいけないのか」については、言われれば思いだす、くらいの認識の方が多いかもしれません。それは要約すると次の2点にしぼられると思います。

・昇進レースに負けたのに天下り先で高額な報酬を得ていたこと。
 国家公務員それ自体は(少なくとも今は)途方もない倍率で勝ち残った人たちです。その給与が高いことは当たり前ですが、昇進レースに負けた者が、逆に昇進した人たちよりも高額な報酬を受け取っているのはおかしな話。

・国の機関と取り引きがある企業に天下り先があったこと。
 (取り引きがあるからこそ天下りがあった、とも言えるので、ちょっと矛盾があるかもしれません)国と金銭のやり取りがある企業に天下り先がある、となると癒着を疑われるのは当然のことでしょう。


「天下り禁止」

さて、話は変わりますが↑この文をニュース検索していただくと次のニュース記事がヒットします。

国家公務員の人件費、190億円減 11年度予算案
(日経新聞 2010/12/24)
新規採用の抑制や早期勧奨退職(天下り)の原則禁止などの影響で、国家公務員の平均年齢が上昇。高齢化に伴う給与の増額分は320億円となり、定数削減による200億円の人件費削減額を上回った。(前後略)

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このほかにも新規採用職員の大幅抑制(5割だったかな…)など、天下りを禁止したことでかなりのひずみが生じています。国家公務員を目指していた人たちは、それでなくとも就職氷河期なのに「ふざけんな」って思ったでしょうね。

はっきり言って、50歳以上のやっかい者たちは天下りとかですぐさま退職させ、新陳代謝により組織を若く保つべきです。体力的にも能力的にも、新しい人材の方がありがたいと言うのは、社会人の方ならなんとなく理解できる理屈だと思います。

ですので今回先述したとおり、「~天下りの是認。早期勧奨退職の拡充と、民間への斡旋の強化・厳格化。加えて兼業の許可~」の結論になるわけです。きちんと管理した上で天下りを是認し、また自主的な転職・再就職の道を開かせることで、できうる限り天下りへの国の関与を薄める。それが必要な措置ではないでしょうか。

また、国から補助を受けている団体・国から業務を請け負っている団体には極力天下りさせず、仮にそうなった者も、退職前の給与水準を大幅に超えないようにするべきだと考えます。

2011年1月25日火曜日

公務員制度改革案 その2

①給与 改革案の結論は最初に書いたところですが、もうちょい補足をば。。。

これは次の②勤務条件 につながる話ですが、非常勤嘱託職員を大幅に増員する提案です。
どう言うことか。それは②で併せて詳細をお話します。


②勤務条件 改革案
~職員に占める非常勤嘱託職員の比率の増加、人事院の存続と監督権の導入、解雇する仕組みを導入~

非常勤嘱託職員。
これは非常勤とつきますが、人件費削減をなんとかやりたい地方にとっては常態化しており、その業務も一般職員と変わりません。

これらの雇用形態は原則として、
・パートタイム=勤務時間が厳守
・雇用の調整がしやすい
・人件費の上昇(昇給)がほぼない

などなど、雇用者側から見て非常に魅力的な労働者となるわけです。

非常勤職員は福利厚生や雇用者の折半する医療費などの面でずっと少なく、そのため一般職員を雇うより人件費が2分の1とも3分の1とも言われています。

また、替えの利くようにと、つまりリスクヘッジの観点からも非常勤職員を大量に雇い入れておくことは重要であると考えます。一般職員のように転々と異動させる必要も薄いため、常にイレギュラーばかりが起きてマニュアルの作成が難しい市役所にとっては、心強い戦力になるのです。

ですがこれでは給与の低い雇用形態が増えるわけで、労働者側が一方的に不利益をこうむることになります。そこで必要になるのが人事院=国の機関による監督です。

非常勤職員を増やすにあたっては、兼業を認めるとともに、フレックスや短時間勤務なども導入することが不可欠です。

しかしながら、こうして門戸を開くことは公務員の低下を招く可能性が高いです。職員の人格が多様化するため、性格に問題がある者が採用されることで別の職員にもモラルハザードが広がる可能性です。

ほら、不良は不良を呼ぶでしょう?
今ですら公務員の不祥事は絶えませんが、よくよく調べてみると「借金があった」とか「特別枠で採用された」など、もともと不祥事を起こしやすい人材だったのです。

ですから、最後に解雇――クビにする仕組みが必要なんです。

公務員は労働三権が制限されている代わりに、不祥事でも起こさない限り解雇されない。これは見直さなければなりません。公務員としての資質に欠ける人がいたら、いや公務員でなくともそんな人が同じ職場にいたら、真面目に働いている人がワリを食ってしまいますよね。


ここまでして人数を確保すべしと考えるのには、わけがあります。
それは大災害が起きた場合に、何より頭数が災害復興には欠かせないからです。

向こう二、三十年のうちには関東大震災ほどの規模の地震が起きるとされています。
しかしながらどこの地方公共団体も大災害への備えを忘れて、市長は再選を念頭にただいたずらに人件費抑制を掲げています。

ですから大災害の起こるであろう頃には、現時点の防災計画は使い物にならなくなり、人員と体制の不備を嘆くことになるのは間違いありません。

救える命を救えないなんて、これほどの不幸はありませんから。


今、どこの民間の会社も同じ状況だと思いますが、仕事中に世間話をする余裕すらないと思います。しかも夜のお付き合いもしないため、社会人になっても自分の関係していることしか知らない。

職員同士の繋がりが薄れていることが、今、国内では普通に見られる光景になってしまっています。
そのせいか、いつまで経っても世間知らずなままの大人が多くて、よく驚かされます。

職員を増やすことは、横の連携=多様で柔軟な意見が醸成される組織の編成に向けた第一歩です。

民間の会社がガキなままなのはその会社の自己責任に過ぎませんが、世間知らずな公務員が、どうして行政を運営できると言うのでしょう。

ですから、人数を増やすことで多様で色々な意見が飛び交い、また真剣に世間話をできる状況を構築することが、国民にとっての幸福に繋がるものと確信しています。

2011年1月12日水曜日

公務員制度改革 案 その1



しばらくブログの更新をサボってしまいました
あまり読んでくださっている方はいないけど、とにかくめんご(;△;)




公務員制度の改革となるとあまりにも膨大な議論になりますが、ここではそんな本格的に全面を見直すことはせず(……無論それは不作為ではなく、自分の力量不足によるのですが;)、国民にもなじみのある切り口から、ざっくりと迫って見たいと思います。 

〈公務員制度改革案 もくじ〉 
①給与 改革案 
②勤務条件 改革案 
③天下り 改革案 
④スト権 改革案 

それでは早速、改革案を順にお示ししていきましょう。 


①給与 改革案 

初めに結論から。 
~大幅な見直しはせず、景気や物価を即座に反映させる仕組みを導入する~ 

それでは結論へと導く自論から。 
やや多いですが行数を稼がせていただきたいと思います。 

ニュースにも出る組織なのでみなさんご存知の方も多いと思いますが、国の機関である人事院によって民間から抽出された「給与の平均」をもとに、国家公務員給与はその水準を勧告されます。その後、それをひとつの叩き台にして官僚が法案を作り、最終的に国会で決定します。 

ちなみにこのときの勧告はあくまで目安であり、そこからさらに減額されるのが普通です。都道府県・市区町村もこれを参考にしながら、同様に議会の議決を経て地方公務員の給与を決めていきます。 

なぜわざわざ人事院で決めるのか。 
それは公務員が労働基本権を制限されているからです。 

スト権がない公務員は、どれだけ給与を減らされても、文句を言うことはできてもストをする権利はないためです。警察官や消防職員、海上保安庁などにいたっては、労働組合を組織する権利すらありません。、第三者機関のような感じで、民間の給与水準を調べる組織を特別に作っているのです。 

ここで議論しなくちゃいけないことは↓このくらいですかね。 


○民間の給与水準を調べるに当たって、抽出される企業が作為的に大きいものになっている? 

「調査対象の企業は従業員が50人以上」などの条件があって、平均として算出される民間給与がわざと高いものになっているのではないか、との問いですね。 

誤解を恐れず言えば、これはそう言った条件を設けているのは当然だと考えます。 

繰り返しますが、人事院勧告とは国家公務員の給与について決めているものです。 
国内一流大学の、しかも法学部などを卒業した人たちが、ものすごい倍率で就職戦争を勝ち抜いて国家公務員になるのですから当たり前――むしろ出世しても優良企業のエリートの給与にも劣るのですから低いくらいです。 

○『憲法第15条に基づき、「全体の奉仕者」として公共の利益のために勤務するという一般的な義務を負うもの』であり、公務員はそもそも給与水準を低くするべき? 

公務員なんて給料は低くてもいいんだよ、なんて時代がかつてありました。 
バブルの前。高度経済成長期の前です。 

断言して言いますが、その時代のいわゆる団塊の世代は、こと職場環境においては「負の遺産」でしかないです。同じ標準語をしゃべっているのに会話が通じず、こちらの意図していることを全く理解せず、しかも独自の理屈を持っている。本当に手のつけようがありません。 

そうそう、これは地方公務員の話ですけど…… 

「その頃の公務員は、ほかに職がなかったからしかたなくなったんだ」 
「同級生からお小遣いをもらわないと一緒に飲むこともできなかった」 
「田んぼがないと食っていけなかった」 

当時の地方公務員の置かれた待遇は悲惨なものでした。 
しかし能力を見ると決して同情できるものではない、と言うのが正直な感想です。 

給与を下げると言うのは、まがりなりにも職員の質を下げることに繋がります。 
もし国家公務員の給与を下げることになれば、それは取り返しのつかない損失を、国民自身が被ることになるのは間違いありませんね。 


○そもそも税金から払っているのだから、人件費は極力抑制してもっと他のことにお金を回すべき? 

これは正論だと思いますね^^ 
しかし先述したとおり、現在の水準ですら低いと考えているので、これ以上下げることはすべきではないと言う風にも思います。 


○犯罪ばかりに手を染めている公務員に、通常水準の給与すら払う必要はない? 

新聞など見てアンテナを張っていれば気づくことですが、公務員の犯罪率は人口比でそう高いものではないと見ているのですが、客観的な数値がないので本当にもうこれは「少ない感じ?」くらいの意見に過ぎないですね。 

またそれとは別の議論ですが、「懲罰以外の解雇」(これは後述予定の②給与水準 で触れる予定)を法的に容認するべきであると思っています。先にも述べた労働基本権制約と引き換えに、公務員の身分は保障されているのですが、これが「負の遺産」がいつまでものさばっている諸悪の根源の気がしてならないです。 

無能はクビでいいんじゃね? 


○給与水準の低い地方の公務員でも「国に準拠」している? 

私が一番の問題と感じるのはこれです。 
阿久根市のブログ市長をご記憶の方も多いと思いますが、口の悪い言い方をすれば「田舎でも公務員は高給」との印象があると思います。 

まぁ阿久根市長はわざとかホントに勘違いなのか、ミスリードが多くて全く信用していませんが。 

上に四つほど○(マル)してまとめましたが、地方公務員についてはまったく擁護できません>< 
確かに話を聞く限りでは、この数年内に採用された若手は、使い潰される消耗品のような扱いを受けていることを知っています。 

一杯やって早めに帰るときに近くを通るとまだ電気がついていたりして、それでもうちのところの市長は「人員削減の方針」のままで、夢も希望もないだろうなとも思います。それどころか趣味の時間すらない、なんて話も聞きます。 

有名大学を出てUターンして市役所に入った人の話も聞きますが、それでもやっぱり「ご愁傷様」くらいにしか感じません。だって民間はどこも今、苦しい状況じゃないですか。 

役所が率先して苦汁を舐めろ、とは現代っ子の暴論ですが、少なくともそれくらいの、いわば市民感覚を知らなければ、市政を治めることはできないと言うのが私の意見です。 


えー、長くなりすぎたので続きは次回に持ち越します。 
お楽しみに♪ヾ(^◇^ ) ( ^◇^)ゞドモ♪